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肉 熟成期間 [食べ物]

おいしいと言われる霜降り肉は、脂が差し込まれた状態に育てることで、柔らかさやとろけるような感じを持たせていますが、脂ゆえそれほど食べられず、またどちらかというと健康への影響は悪いでしょう。そういう意味で柔らかくする方法として脂ではなく熟成(発酵)を使うというのはよいと思います。

肉類は、いただくものの生存、死後状況によって、次の食べ方があります。

<生存中>
筋肉の中にあるグリコーゲン(糖類)を乳酸化前にいただくことで、歯ごたえのある食感と甘い旨味を味わえる。日本では魚の活造りや貝の踊り焼きでいただくのも楽しみですね。

<死後数時間以内>
筋肉に酸素が行かなくなり、グリコーゲンが分解して乳酸ができます。結果、保水性も減少し、筋肉が硬くなってしまうようです(死後硬直)。東南アジア地区ではと畜後数時間以内の死後硬直した豚肉の価値が高く、歯ごたえがあって旨い肉と考えられているようです。

<死後2日以内程度>
冷凍保存でなければ購入後その日か翌日ぐらいにいただく、スーパーなどで見かけるものです。柔らかさが程よく、おいしさと安心のバランスが最もよいと感じられるものではないでしょうか。

<死後数日~数か月程度>
酵素の一部は死後も一定期間次のように働き、肉を柔らかくして保水性を高める自家消化を行うそうです。
・微生物の発生を抑える
・死滅した細胞、コラーゲンを膨潤させる
筋肉の分解でアミノ酸ができ、旨味が増してきます。日を置くことで、柔らかく旨味の増した状態にしてから最もおいしくいただこうという熟成物がこれにあたります。

高級肉を使わなくてもよいことからも熟成肉がブームになっていますが、腐敗との際どいところというのは避けられません。熟成肉は生ならチーズのような感じ、焼くと香ばしく甘い感じと言われます。腐敗肉はアンモニア臭だそうですので、嫌な臭さの場合は避けておくのが無難ですね。

熟成方法は大きく分けてウェットエイジングとドライエージングの2種類があり、自宅や牛丼チェーンなどでは主にウェットエイジング、料理屋さんやレストランではドライエージングが採用されることが多いようです。

変わったところでは、積極的に麹菌を付けて、寝かした後に麹菌とかびた部分を除去するという方法で熟成肉を作っているところがあるようです。昭和30年代にとられていた方法のようで、味噌漬けのような風味でとても旨いそうです。

ウェットエイジング
滅菌した布で巻くか真空パックして0~2度で5~10日程度冷蔵して置く。
ウェットウィジング(麹版)
麹菌を付着し、冷蔵庫に3週間以上置く。1~2cm長の綿毛のようなものが生えたら、これらを取り除き、表面の黒い部分を切り落とす。
ドライエイジング
骨付きのまま1~3度の冷蔵庫で湿度60~80%で肉の周りの空気を動かし20日~2か月程度置く。


機会があれば、今時の一般的なドライエージングのものと、昔ながらの麹菌の方法のものを食べ比べてみたいところです。

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